このシャンパンクーラーは、試作を何度もくりかえし、完成まで二年間もかかった作品です。
リンクアップの今井さんが何度の工房にこられ、試行錯誤の末出来上がりました。「シャープな木桶を作りたい」という彼の言葉に答えるべく木桶の限界への挑戦という日々でした。何度の諦めようとも考えましたが最後は神がかり的に「用」と「美」と「技」が一つに集約して行くのを感じました。最上部を尖らすこと、その下の部分をタガが掛かりやすくするための充分な丸みを持たせること、それにたどり着いた時デザインと技術の問題点が解決しました。そこから生まれた側面のカーブはシャープな美しさと用いる時のに手掛かりになるような形となりました。
「用」と「美」と「技」が集約したこのシャンパンクーラーは私のもの作りの中でもひとつ転機になった作品です。
それが偶然も重なり幸運にもドン・ペリニヨンの公式クーラーに選ばれました。